ひびきジャーナル 第11号

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特定非営利活動法人 純正律音楽研究会 会報
『ひびきジャーナル』メール版【第11号】
2004年11月16日発行
編集/発行:特定非営利活動法人 純正律音楽研究会
      〒106-0031 東京都港区西麻布2-9-2-1F
      Tel.03-3407-3726 Fax.03-3797-5640
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※(C)純正律音楽研究会  禁無断転載
 転載等、二次的にご使用になる場合は、
必ず事前に純正律音楽研究会事務局まで御一報ください。
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純正律による響きの体感ワークショップ
11月23日(祝)14時開場 14時30分開始
TAスタジオ(東京都豊島区目白)にて
参加者大募集!見学大歓迎!
お問い合せ・お申し込み
純正律音楽研究会 電話 03-3407-3726まで
詳しくは下記ホームページをご参照ください。
http://www.pure-music.ne.jp/event/index.html
*****************

<<今号の内容>>
■1■対談 玉木宏樹の“この人と響きあう” 第11回
有限会社高田ハープサロン 代表取締役 高田明洋さん

■2■天国的純正律音楽入門 第11回    
平均律ピアノを見直した体験
NPO純正律音楽研究会代表
作曲家・ヴァイオリニスト 玉木宏樹

■3■風鈴が純正律に響く
小泉製作所 代表取締役 小泉俊博さん

■4■純正律的邦楽の手引き
美しい「さわり」の音
現代邦楽研究所代表 純正律音楽研究会理事 西潟昭子

■5■ムッシュ黒木の純正律講座 第11時限目
ミーメーシス
純正律音楽研究会事務局長 黒木朋興

■6■外科医のうたた寝☆その10 
家を建てる
純正律音楽研究会理事 医学博士・作曲家 福田六花

■7■CDレビュー・純正茶寮
『 L’Extraordinaire Tour de France d’Adlard Rousseau, dit Nivernais la Clef des Coeurs, Compagnon Charpentier du Devoir』8208231
純正律音楽研究会事務局長 黒木朋興

■8■メディアを賑わす純正律

■9■純正律イベントレポート

■10■純正律の音程を学ぶ 響きの体感ワークショップ

■11■純正律かわらばん


■ 1■対談 玉木宏樹の“この人と響きあう” 第11回
有限会社高田ハープサロン 代表取締役 高田明洋さん


「ハープの調律についてもっと良
い響きがないものか考えており、
お伺いしたいことがあります。」
ある日高田さんからそんなメール
が届きました。ご近所のご縁もあ
り、早速訪ねて来て下さった高田
さん。こんどはこちらからハープ
に関する高田さんの試みについて
お話を伺いに訪ねました。ハープ
やヴァイオリンのならぶ美しいオ
フィスでお話を伺いました。

<ハープの歴史を紐解けば>
玉木: こんにちは。お邪魔します。いやあ、すごく広くて上品で
うちとは大違いだわ。
高田: いやいやそんな。
玉木: おや、ヴァイオリンも扱っていらっしゃる?
高田: 全くの初心者用のものですから。
(ここで二人、初心者用のヴァイオリンについての蘊蓄を語って)
玉木: ハープってギリシャ時代に痕跡がありますよね。
高田: いやいやもっと前のバビロニア時代からあります。
玉木: 前にお話し伺ったとき、今のハープはグリッサンド(注1)
が命というようなことをおっしゃってましたよね。
高田: そうです。ペダルがダブルアクションになって、異名同音
(注2)によるグリッサンドの効果が生まれたんです。
(ボロローンと実演。)
玉木: ペダルがダブルアクションになって、ハープは生まれ変わ
った。その革命的な発見はいつ頃なんですか。
高田: エラールというフランスのピアノメーカーでもあった人が、
19世紀の初め頃(1811年)ダブルアクションを考案しました。
玉木: それまではどうだったんですか?
高田: シングルで半音は変えられたんですが、それでは転調が限
られて(♯4♭3)単純なことしかできなかったんです(ミーントー
ン=中全音律の範囲内ということ)。
玉木: モーツァルトとか、シュポーアとか、あの人たちはそのシ
ングルハープで作曲したの?
高田: そうです。モーツァルトは
ハープが嫌いだったようですが。
玉木: ハープとフルートの協奏曲は有名ですが、でもモーツァル
トはハープもフルートもチェロも、とにかく音程の悪い楽器は好き
じゃなかった。
高田: ハープがあのままだったらダメになっちゃったかも知れま
せんね。
玉木: 近代オーケストラになっても、もともと平均律だった楽器
たとえばピアノ、ギター、マンドリン、ハープ、これらの楽器はオ
ーケストラでは特殊楽器なんです。
高田: なるほど。
玉木: 近代ハープがオーケストラに登場したのは?
高田: ベルリオーズの「幻想交響曲」ですね。
玉木: うーん、あの舞踏会のシーンはいいですね。
高田: あれは弾きにくいんですよ。アルペジョばかりで(注3)。
玉木: アルペジョばかりでグリッサンドがない?でもあの当時、
ハープを二台使っても、実際にはよく聞えたんでしょうか。
高田: 疑問はありますね。ベルリオーズは大編成のオケが好きで
したから。
玉木: 400人くらいのオケで、サブの指揮者を三〜四人つけて指
揮をしたベルリオーズの話なんてありますね。でも交響曲の場合、
なかなかハープは登場しませんね。
高田: ブラームスにもないし。
玉木: ブルックナーにも。
高田: チャイコフスキーにもないんですよ。
玉木: バレエではすごく活躍するのにね。で、マーラーはすごく
ハープを使う。
高田: R・シュトラウスのハープがとても難しくて、あの人はハ
ープは小指をつかわないということを忘れてるんじゃないかという
ほど弾きにくい。
玉木: ハープの弦って47本ですよね。
高田: よくご存知で。
玉木: いやなに、赤穂浪士と同じだから覚えやすいんですよ(笑)。
で、47本ってのは、昔からなんですか?
高田: いやいや、二十世紀近くになってからですね。
玉木: じゃ、シュポアやパリシュ=アルバースなんて、作曲はも
っと音域が狭いんですね。
高田: 正確には覚えてませんが、サルセド以降は47本だと思い
ます。
玉木: 弦の材質は?
高田: 昔は全部ガットだったんですが、今は高音はナイロン、中
音域がガット、低音は金属となっています。
玉木: お金の話で恐縮ですが、弦全部でいくらくらいなんですか。
高田: 十万円くらいでしょう。
玉木: え〜っ!でもヴァイオリンだって、4本で6000円とする
と・・・。私の学生時代、ヴァイオリンは大体100万円前後だったの
に、ハープは500万円。とてもお金持ちのお嬢さんしか習えなかっ
た。でも今でもハープは同じくらいですね。
高田: 大体、450万円か500万円です。
玉木: 物価の優等生。値崩れしませんね。
高田: 全部手作りなんですけどね。
玉木: それじゃ作る方も売る方もあまり儲からない。
高田: その通りです(笑)。

<ハープの可能性を探る>
玉木: (辺りを見回して)あっこれ、アイリッシュハープですか?
高田: そうです。少し小型で弦も少ない。
玉木: ペダルがありませんね。
高田: 弦をとめる所のフックを手前に引くと、半音上がるんです。
玉木: 原理はシングルアクションと同じですね。
高田: ええ、最近インターネットをやるようになってわかったん
ですけど、アイリッシュハープのファンが全国にとても多いんです
ね。
玉木: インディアンハープというか、南米のハープはどうなんでしょう。
高田: アルパですか。あれはかなり違う楽器なのでうちでは扱っ
ていません。
玉木: アイリッシュハープが一台あると、いろんな実験ができる
し、ぜひほしいなあ。一台いくらですか。
高田: 三〇万円近くでしょうね。
玉木: うっ(絶句)。置くとこもないしなあ・・・。ところでハープ
と純正律の関係ですが、高田さんはハープを純正律に近づけるのに
どうするか、という研究をなさっていますよね。
高田: いや、ハープやピアノという固定弦の場合、純正律は不可
能ですね。
玉木: もちろん不可能だけど、それに近づけるために、ヴェルク
マイスターやキルンベルガー等の工夫された調律があった。
高田: 私は55等分律を研究しているんですが(数値表を手にし
ながら)、ヴァロッティの調律にも興味があります。
玉木: ダブルアクションハープだと、7音×3としてオクターヴ
で21音作れますね。
高田: 原理的にはそうです。
玉木: じゃ、微分音(注4)も可能なんだ。
高田: 現代音楽の作曲家はいろんなことを考えてますよ。
玉木: これはおもしろい。いろんな可能性がある。古典調律をつ
きつめていくと、異名異音になりますよね。
高田: そうなんです。純正律的にいえばC♯とD♭は実は同じじ
ゃないんですよね。
玉木: 厳密に言いますと、純正律的にはC♯の方がD♭より低い。
Cis(C♯)というのはCに近いという意味だし、Des(D♭)
はDに近いという意味だし。
高田: その異名異音にこだわりたいんです。でもハープはグリッ
サンドが命ですからね。微分音にすると、グリッサンドが悲惨な音
になる。そこの兼ね合いが問題で。
玉木: 耳で許せる範囲ならどうでしょう。
高田: ええ、今それを研究中です。
玉木: すごいなあ、ぜひ僕も研究したい。ああアイリッシュハー
プほしいなあ。
二人 (笑)

高田さんが試みる調律のハープ
を年内には聴かせていただける
ことに。玉木もハープにあわせ
た作曲をする意気込み。さて、
どんな美しい響きになるでしょ
うか。今後の展開が楽しみです!

注1) グリッサンド。ハープの場合、すべての弦をかき回した時、
濁らない音にできるのが、ダブルアクションの特長。
注2) ダブルアクションハープの場合「ミ」の音を「♯」にする
と、「ファ」となる。そして元の「ファ」とは同音となる。次に「シ」
の音を「♯」にすると「ド」となる。ハ長調(C-dur)のトニ
ック(主和音)のコードは、このペダリングで下から「ド」「レ」「ミ」
「ソ」「ラ」として、グリッサンドで全弦をかき回すととても効果
的で美しいサウンドが得られる。 
注3) アルペジョ。分散和音。グリッサンドと似通っているよう
にも聞こえるが、アルペジョはひとつずつの音をちゃんと弾かなけ
ればならないのにくらべ、グリッサンドはかきまぜるだけでよいと
いう違いがある。
注4) 微分音。オクターヴは通常12の半音で構成されているが、
もっと細かい音を使うこと。4分音や6分音がある。


■2■天国的純正律音楽入門 第11回
平均律ピアノを見直した体験
純正律音楽研究会代表 作曲家・ヴァイオリニスト 玉木宏樹


 私は無雑作に演奏される平均律ピアノが大嫌いである。これはい
ろんな所で書いたり話したりしているので、玉木はピアノのテキだ
と思っている人も多そうだ。しかし私が平均律の濁りを目立たせな
い作曲法で書いた「天の川」は大変好評で、「光の国へ」シリーズ
の二枚目にも入っている。要は使い方次第なのだが、つい最近NH
KBSで聴いたショーソンの「ポエム」は大変悲惨だった。ピアノ
の「ドミソ」は濁っている、狂っている、とさんざん書いているが、
「ドミソ」だけなら、それほどの衝撃はない。どうにもならないの
が「ドソミ」と開いた形の「ド」と「ミ」の長十度である。ショー
ソンのピアノ伴奏はこの点で悲惨極まりない演奏だった。こういう
平均律ピアノの欠点が全く目立たず、ピアノというのはとてもすば
らしい楽器だという一種のカルチャーショックを最近体験した。そ
れは10月9日から11日まで山梨の牧丘町民文化ホールの録音で体
験したのだ。この録音はアルキ(私の会社)レーベルのインディー
ズ盤で、中身は水野さん親娘の2台ヴァイオリンとピアノによる「く
るみ割り人形」で、私の編曲によるものである。2台ヴァイオリン
の編曲シリーズは音楽之友社ですでに五種類出ており、いずれもこ
の出版不況の中では珍しく大健闘しているとのことで、もうすぐあ
と二種類出る予定だが、「くるみ割り人形」は今年の二月頃出版さ
れたものである。私は最初の頃から純正律を意識して、なるべく沢
山2台ヴァイオリンだけの編曲を多くしたが、「初級者用」の一冊
を除き、ピアノ伴奏のものも多く、なんとなく純正律と違う世界も
同居していたが、「くるみ割り人形」はオーケストラを縮小するた
め、全面的にピアノに頼らざるを得ず、平均律に屈した形になり、
やや居心地が悪かったが、楽譜の売れ行きも良く、CD化の要望の
声も多いということで、思い切って録音に踏み込んだのだった。で
もピアノやホールの響きはとても気になっていたのだが、録音では
長くコンビを組んでいるエンジニアの岡田さんから、山梨の牧丘町
のホールはベーゼンドルファー(ピアノメーカー名)が置いてあっ
て、ホールもすばらしいから、とすすめられ、私自身はベーゼンド
ルファーに詳しくなかったけれど、非常に響きのいいピアノである
という評判は知っていたので、どんなピアノかという興味もあって、
そこで録音することにした。岡田さんの助言もあり、なかなか扱い
にくいベーゼンには専門の調律師がいた方がいいとのことで戎居さ
んという方に三日間お願いしたが、それが結果的には大成功で、私
自身の人生六一年の中でピアノに対して激しいカルチャーショック
を体験したのである。

 音を出してまず驚いたのが、ピアノがすごくよく鳴ることだった。
ピアニストの田中麻紀さんもとても気分良く弾けているからそうな
のだが、その鳴り方はスタンウェイやヤマハのように直線的にコツ
ーンとは来ない。音自体がとてもソフトで「ドミソ」が気にならな
い。いろいろとマイク調整をしたり、バランスを取っている内に、
三人ともすばらしいアンサンブルになっていく。「くるみ割り」の
私の編曲は「序曲」の頭が2ヴァイオリンだけ。また「行進曲」の
トランペットも二人だけ、「アラビアの踊り」はノンビブラートで
純正律風に、「花のワルツ」の頭はとくにハモるように気を配って
編曲しているが、そのことごとくが大成功で、すばらしく純正律と
して響いている。そして何といってもピアノが純正律にきこえてし
まうのだから摩訶不思議。このサウンドこそが狙っていた以上のも
のであり、このCDはぜひ純正律シリーズの中へ入れた方がいいと
感じた次第である。「くるみ割り」以外には2ヴァイオリンだけの
「ロンドンデリー」や、とても美しいメロディなのに誰も知らない
グリーグの「山の乙女」や、おもしろい曲も多いので、ぜひお薦め
のCDである。完成は十一月下旬の予定。ベーゼンドルファー調律
の秘密も書きたかったが次のチャンスにしたい。

• 新譜「ゆめ・・・くるみ割り人形ほか」定価2100円(税込)

 11月下旬発売予定です。お楽しみに!


■3■風鈴が純正律に響く 
小泉製作所 代表取締役 小泉俊博さん


夏の風物詩、美しい音色で涼し
さを誘う風鈴、その風鈴を純正
律に調律したら・・・より一層透
明ですきとおった響きで私達を
癒してくれるでしょう。そんな
純正律の風鈴の製作に取り組む
小泉さんにお話を伺いました。

Q 風鈴を純正律に調律するに至ったきっかけは?
小泉 もともと鋳物業をなりわいとしていまして。銅合金のもつや
わらかな響きを生かした商品ができないかと、まずは普通に平均律
音階の風鈴を作りました。これはこれで、単体として良い音色で癒
されるのですが、複数の風鈴として利用した場合、長時間聴いてい
るとなんとなく落ち着かない。純正律音階の音楽が癒し効果が高い
との話を聞いて、試しに純正律音階の和音で構成した風鈴を試作し
てみました。

Q 純正律の風鈴を作るにあたって苦労されたことは?
小泉 数年前から中央大学との共同研究で、スペインのガウディー
が考えていた教会用(サクラダ・ファミリア)の鐘に関する研究を
しておりまして、振動工学の観点からのノウハウがある程度蓄積さ
れていましたので、割合スムーズに純正律の風鈴を作ることができ
ました。

Q 純正律の風鈴が出来上がってみて、いかがでしたか。
小泉 すばらしい音色と長い時間聴いていても疲れず飽きの来ない
風鈴ができました。本当に自分自身、製作した本人が驚かされまし
た。

Q 純正律の風鈴づくり、小泉さんの取り組みの今後の展望は?
小泉 純正律での和音風鈴は来年夏の販売を予定しています。ビー
ルやアイスクリームが冬でも食されるように、癒しのために風鈴が
季節を問わず利用されるような、純正律の持つすばらしい癒し効果
のある世界一の風鈴を作りたいですね。今後関係者の協力を得られ
れば、脳内の動きと音との関係の研究や検証を行なって、しっかり
した良いもので生活に潤いや快適さを提供していくつもりです。純
正律に関する知識はまだまだ一般的に普及しているとは思えません
ので、機会があれば、私なりに純正律のすばらしさをより多くの人
に伝えていきたいと思っています。

<<小泉製作所>>
明治二十二年創業。銅合金鋳造業。仏具、美術工芸品など伝統的工
芸品から、精密バルブなどの精密機械部品まで、鋳物に関して幅広
く取り扱う。

• 商品、販売、流通などに関するいろいろなご要望やアドバイス
• などお待ちしております。

<<宛先>>
〒939-1118
富山県高岡市戸出栄町57-5(高岡銅器団地内)
株式会社小泉製作所
電話 0766-63-6590


■4■純正律的邦楽の手引き 
美しい「さわり」の音
現代邦楽研究所代表 純正律音楽研究会理事 西潟昭子


<「さわり」とは何か>
 三味線の音の命は「さわり」です。本番の演奏時に一番気に入っ
た音が出せるように、私は準備の段階で、「さわり」の音の付き具
合に全神経を集中してあたります。それはまるで、登山家が登山を
する前に、命綱の準備を怠りなくするのと同じくらいの気持ちです。
そんな大げさな、と思われるかもしれませんが、私にとっては命が
けの作業になります。「さわり」のついていない音色状態で弾かな
ければならない時ほど、暗く悲しいことはありません。まるで色あ
せて生気のない、しおれた花のようで情けないのです。
 この特殊な音響装置は江戸時代の末期には完成されていたようで
す。やはり音の良し悪しは先人たちも苦労したに違いありません。
琵琶法師たちがバチを工夫しただけではなく、三味線弾きはその音
色と余韻の延びにも苦慮した結果、琵琶にも備わっていた「さわり」
の機能を研究して三味線にも取り入れたのだということです。なぜ
それほどまでに「さわり」にこだわるかというと、三味線を弾くと
いう行為は、ほとんどが皮を叩く行為です。絃を弾きつつ、強く皮
を叩く。そうするとビヨ〜ンという「さわり」の機能が働いて、余
韻が延びて、かくも美しく気高い音があたり一面に鳴り響き渡るか
らなのです。その響きある音の中で弾いているときほど幸せなこと
はありません。
 よく「さわり」について「あの日本独特な雑音の混じった噪音的
音色が・・」などの記述がありますが、私は全くもって違っている
と思っております。「さわり」の音は雑音なんかではありません。
噪音でもありません。真に美しい余韻を効かせてくれるのが「さわ
り」なのです。それは響きの良い、音楽的な余韻のある音色です。
だからこそ、私はその音を奏でるために命がけになるのです。
<巧妙な音響装置で豊かな音色に>
 「さわり」は非常に巧妙な倍音発生装置です。まず一の絃に「さ
わり」の音を充分つけます。その基音となる最低音の「さわり」が
効いていると、他の開放絃が鳴り響き、三味線の音が倍音の宝庫と
なるのです。本調子の場合、まずオクターヴ上の三の絃がビョ〜ン
します。そして二の絃は第二倍音が鳴ります。以下、二の絃、三の
絃と音程のツボがうまくハマると見事に三味線は喜んでビョーンし
ます。本調子、二上り、三下り、それぞれ倍音のツボが違うため、
多彩な音色が出ます。華麗な三味線の音色は、このように特殊な音
響装置「さわり」によって発生し、豊穣な音楽の世界を創り上げる
のです。
 2002年秋、玉木宏樹氏によって作曲された三味線二重奏曲「ジ
ャワリ」は、この「さわり」の特徴を全面に押し出した作品として
大いに注目されました。三味線弾きが一度は、弾いてみたい、と思
う作品になりました。この「さわり」的な音響装置のことをインド
では「ジャワリ」と言うのだそうです。曲名の由来です。

☆インフォメーション
西潟昭子氏および現代邦楽研究所に関連するイベントなどについて
紹介します。
<コンサート・演奏会>
・11月8日 西潟昭子三絃リサイタル二〇〇四 銀座王子ホール
• 11月27日 現代邦楽研究所一〇周年記念事業
「東京・邦楽コンクール」本選演奏会
洗足学園音楽大学・前田ホール
• 12月15日「第四回箏曲組歌演奏会
〜流派をこえて組歌の魅力を探る〜」紀尾井小ホール
• 2005年4月に「菜の花コンサート」、
 2005年10月に三味線コンチェルトも予定!
<講演会>
• 12月23日 現代邦楽研究所十周年記念公開講座
シンポジウム「演奏家への道」
• 2005年1月10日 現代邦楽研究所10周年記念公開講座
古典作品研究 講演と実習「御祝儀ものについて」 
<お問い合せ>
現代邦楽研究所 電話 03-3565-4197

【『ひびきジャーナル第11号』メール版(2)に続く】


【『ひびきジャーナル第11号』メール版(1)から続く】
■5■ムッシュ黒木の純正律講座 第11時限目
ミーメーシス
純正律音楽研究会事務局長 黒木朋興


器楽曲、つまり現在インストと言われる曲を聴いて感動したとする
と、あなたが感動したのは、その音響効果なのでしょうか、それと
もその音の背後にひそむ理念あるいは作曲者なり演奏者の主張なの
でしょうか。後者だとすれば、あなたはミーメーシスの原理の圏内
にいるということが言えるでしょう。前者だとすればあなたは絶対
音楽の時代以降に生きている、ということが言えます。もちろんど
ちらが良いとか悪いとかいう議論ではありませんし、実際のところ
多くの場合この二つの立場は入り交じっています。ただ、重要なの
は「絶対音楽」というのが我々の生活の中に極々自然に当たり前の
ものとして定着してしまっているということです。それもハンスリ
ックの名前を知らなかったり、「絶対音楽」に反対の立場を表明し
ていたりしても、多くの人がこの理念を無自覚のうちに受け入れて
しまっている、と言えましょう。例えば「歌というのは音楽表現の
一ジャンルに過ぎない。」という立場、あるいはインストものを歌
ものと同列に扱うという立場が市民権を得たのは明らかに「絶対音
楽」のおかげなのです。西洋の長い音楽の歴史を見た場合、歌はイ
ンストよりも上だと見なされてきました。その根拠なっていたのが
ミーメーシス(模倣)の原理なのです。つまり音楽は歌詞が持つ表
象能力によってこそ、「真理」と繋がっていると信じられていたと
いうわけです。例えばルソーの『音楽事典』から引用してみましょ
う。

 劇や芝居の<音楽>は<詩>や<絵画>と同じように模倣をめざして
なされるものだ。そしてすべての芸術はこの共通原理を介してつな
がっているのだが、これはル・バトゥー氏が指摘したとおりである。
(仏版全集 860頁) 

 模倣は、技術的な意味において、まさに歌自体を用いることなの
だ (仏版全集 861頁)

 つまり音楽が歌詞とそれが伝える意味を支えるためのものではな
く、その音響自体を楽しむものとなれたのは「絶対音楽」の理念の
功績であり、その背景として「ミーメーシスの原理の崩壊」という
芸術史上最も重要な革命の一つがあったのです。
 ところが「絶対音楽」の評価というのはあまり芳しいものとは言
えません。それどころかハンスリックはドイツを中心とする西洋近
代音楽のヘゲモニーを代表する人物としてやり玉にあげられてしま
うこともあります。彼が信奉したベートーヴェンや支持したブラー
ムスに音楽への好き嫌いは別として、もちろん否定的な評価を含め
て、彼の功績の部分も見てやる必要があるように思われます。
 ですが私の専門とするフランスという国では、ハンスリックの研
究がほとんど進んでいません。対して、彼の論敵であったヴァーグ
ナーの詩人達への影響というのは文学上の重要なテーマの一つとな
っています。事典などを引いても、「絶対音楽」は、意図的にであ
れ無意識のうちであれ、明らかに無視される傾向が見受けられます。
 ただ、19世紀末において絵画や詩の世界で起こった印象主義あ
るいは象徴主義も「ミーメーシスの原理」の崩壊を目指していた、
ということに注意したいと思います。つまり以前は、イエスが描か
れている場合、重要なのはその絵の背後にある神性だったのに対し、
この時代以降、線の形の面白さや色彩の組み合わせの美しさを楽し
むことが追求されていくのです。芸術が神の世界にたどり着くため
の道具であることから解放された瞬間だとも言えましょう。もちろ
んフランスから信仰の世界が全くなくなったわけでありません。た
だ、このようにしてフランスの前衛は起動したのです。
 同じような発想の「絶対音楽」の理念は、実のところ、それを溯
る十八世紀後半から19世紀中頃にかけて出現した考え方です。と
ころが、「絶対音楽」と象徴主義との関係については殆ど研究が進
んでいません。フランス人からすれば「前衛」を産み出したのは我々
でありドイツからの影響では断じてない、というナショナリズムが
あるのかも知れません。しかしドイツ人でもフランス人でもない私
たちは、それを冷静に分析しなければならないでしょう。「絶対音
楽」を全面的に肯定するつもりは毛頭ありませんが、その功績の部
分はきちんと評価しなければならない、ということです。その理念
は私たちの生活にあまりにも自然に溶け込んでしまっているのです
から。
 個人的には、無意識のうちに受けた影響というのが一番重要だ、
と思うのです。


■6■連続エッセイ 外科医のうたた寝 第10話  
家を建てる
純正律音楽研究会発起人 理事 福田六花(医学博士、作曲家)


 早いもので河口湖に移住してから二年半が経過しました。以前か
ら湖が見えるところに住みたいと思っていたのですが、河口湖畔に
はマンション、借家などはほとんどありません。友人のアウトドア
作家は十年前に河口湖のすぐそばに家を建て、湖畔の生活を満喫し
ています。彼の家に遊びに行くと、ダイニングテーブルやテラスか
らなんともきれいな湖が眺められます。理想の空間を手に入れるた
めには、新しく家を建てるしかないと思い、去年の春から土地探し
を始めました。
 不動産屋さんに案内してもらったり、土地を売ってくれそうなヒ
トを紹介してもらったりして、河口湖の西岸、(通称)奥河口湖を
中心に30ヶ所以上の土地を見てまわりました。そうして足和田山
と云う標高1300メートルあまりの山の麓にある段々畑のうちの一
枚を、昨年末に購入することが出来ました。周囲には家は数軒しか
なく、水道も街灯もコンビニも自動販売機さえもない静かなところ
です。もともとは畑だったのですが、十年以上ほったらかしてあっ
て草ぼうぼう、あちこちにイノシシ穴(イノシシが山からおりてき
て掘ったと思われる穴)がボコボコと開いている大自然そのものな
場所です。冬はすごく寒そうなのですが、眼下には雄大な河口湖の
景色が拡がります。(住むには井戸を掘る必要があります。)
 夏の終わりに三部屋からなる小さな家の工事は始まりました。建
築のコンセプトはやれることは自分でやろう。予算は掛けずに手間
を掛けるのです。予算が少ないことが最大の理由ですが、せっかく
自分の家を建てるのなら、可能な限り自分で手を掛けて愛着のある
建物にしたいと思いました。幸いにも素晴らしい設計士と工務店に
巡り会うことが出来たので、この計画は実現出来そうです。極力、
無駄な造作を省いて、シンプルで眺めの良い純正律な家を建てる予
定です。
 基礎と大まかな大工工事や水回りなどは大工さんにお願いして、
ペンキ塗り、壁塗り、床塗り、デッキ作りなどは自分で行う予定で
す。工事の進行に合わせてどんどんと自分でやる作業が待ったなし
で始まります。11月末には工務店の工事が終わる予定ですが、さ
て年内に引っ越せるでしょうか?

*壁塗り、ペンキ塗りなどの作業を手伝ってくれる方、大歓迎です。
晩秋の河口湖で一緒に汗をかきませんか? 焚き火とBBQを用意
してお待ちしております。

☆福田六花 ライブ情報
THE SENSTIONS
福田六花(Vocal&Guitar) 栗栖幸吉(Sax) 
長尾聖生(Piano) 和田裕二(Bass) 中松ヨシユキ(Drums)
12月5日(日)下北沢LOFT PM 6:30 open PM 7:00 start
¥2000(ドリンク付き)
世田谷区代沢5-31-8 エクセレント下北沢B1 phone 03-3412-6990
下北沢駅南口 徒歩7分
地図は下記ホームページを参照
http://www.shimokitazawa-loft.com/live/page006.html


■7■CDレビュー 純正茶寮
Malicorne
『 L’Extraordinaire Tour de France d’Adlard Rousseau, dit Nivernais la
Clef des Coeurs, Compagnon Charpentier du Devoir』8208231
純正律音楽研究会事務局長 黒木朋興


 以前この欄で紹介したことのあるマリコルヌというフランスの民
謡を扱っているバンドの五枚目を紹介します。個人的には彼等の最
高傑作だと思っています。何故かこの作品はとっくのとうに紹介し
たように思っていたのですけれど、実は紹介していなかったので今
回改めて紹介することにしました。
 リーダーのガブリエル・ヤクは以前、ブルターニュに伝わるケル
ト音楽を世界に広めたことで有名なアラン・スティヴァルのバンド
でギターを弾いていました。ところがある日、ブルターニュ以外の
フランスの民族音楽もやりたい、というので結成したのがこのバン
ドだという話です。
 この作品は、かなり手の凝ったコンセプトアルバムだと言えまし
ょう。中世の頃からのフリーメーソンの伝統で、職人が旅に出、各
地を転々とする中でいろいろな師匠のもとで修行を積んでいく、と
いう習わしがあるそうです。このアルバムは、アデラール・ルソー
という大工を主人公として、彼がフランスを一周した時につけた日
記をもとに、そのところどころにメロディーをつけ歌にした、とい
うものです。このアルバムには小冊子が付いていて、歌詞のみなら
ず、アデラール・ルソーの書いた日記が全文掲載されています。こ
のテクストはヤクの創作のようですが、この人物は実在したようで
す。ジャケットの中で使われている写真と同じものをエクスという
南仏の街にある美術館で見かけましたし、そこには彼が作った作品
(鞍の模型)も展示してありました。
 このアルバムが最高傑作だと僕が思うのは、上記のようにコンセ
プトがしっかりして手が込んでいるということと同時に、ダルシマ
ーなどのアコースティックな古楽器とエレキギターやドラムなどの
楽器のバランスが絶妙だからです。これ以前だとアコースティック
の比重が多く、これ以降は一気にロック化していきます。
 木管・金管楽器や弦楽器の演奏もさることながら、やはり圧巻な
のはアカペラでバチッとはもる合唱パートです。特に一曲目は傑作
中の傑作です。正確に言うと完全なアカペラではなく、効果音とし
て「ザッザッ」という行進の効果音が入っていて、そのリズムに合
わせて歌声が響くわけです。
 この作品に出会った高校二年生の時、僕はバンド活動と平行して
わずかばかりに男声合唱のクラブにも出入りしておりました。グリ
ーといえば、とにかくベルカント唱法をやらされるわけですし、き
ちんと発声ができなくてはハモれないとまで言われるのです。とこ
ろが、この作品を聞いて驚いたのは、彼等は肩に力の入っていない
もっと自然な発声をしているのです。それでいて、非常に綺麗には
もっている。一体、合唱部でやっている発声というのは何なのだ!
と思った記憶があります。
 なお、七曲目でエレキのギターソロを披露しているドン・アール・
ブラズもブルターニュ出身でケルト音楽の伝道者としてフランスで
は非常に有名な人です。
☆全11曲収録 1996  Boucherie Productions


■8■メディアを賑わす純正律
純正律音楽が新聞・雑誌などに取り上げられ、大きな反響を呼んで
います。掲載情報やメディアの方からのご意見などをご紹介します。


・「壮快」マキノ出版 2004年9月号(7月16日発行)
 健康雑誌の「壮快」で2月号につづき9月号にて巻頭特集で大き
く取り上げられました。
「壮快」編集部の鈴木雪子さんから今回の特集の趣旨やその反響な
どについてお話をいただきました。
* * *
<二度目の特集に至るまで>
 「壮快」で初めて「純正律」の特集を組んだのは、今年の二月号
でした。誌面で純正律の詳細を紹介すると同時に、純正律CDの応
募者全員プレゼントを行ったところ、予想以上の大反響が…。応募
締め切り後も「純正律のCDを入手するにはどうしたらいいのか」
との質問が相次ぎました。そんな大好評にお応えして、『壮快』九
月号では再度、純正律の特集を行いました。
<充実の内容にまたもや大反響!>
 今回は巻頭の第一特集、しかも玉木先生にご協力をいただいて制
作したCD付録つきです。純正律の特徴や二月号の反響、医師の福
田六花先生によるご解説を詳しく掲載したほか、「突発性難聴が解
消し耳鳴りも軽快した(沖縄県・六七歳・警備員)」「耳鳴りと飛蚊
症が消え腰痛と座骨神経痛も治まった(大阪府・四八歳・歯科医)」
「耳鳴りと不眠症が完治した(福島県・六六歳・無職)」「不眠症が
解消して高血圧も正常化した(新潟県・五七歳・ピアノ講師)」と
いった「純正律体験者」の方々の声をドーンとご紹介しました。担
当編集者が言うのもナンですが、これだけの内容で580円とは、な
んてお得な一冊!
 読者の方々からも、CD付録を絶賛する内容のお葉書をはじめ、
二月号に比べてさらに大きな反響が寄せられています。
「三月から睡眠薬を飲んでやっと眠っていた状態だったのが、純正
律を聞いたとたん、わずか20分ほどですが自然に眠れました。驚
いております」(千葉県・男性)「今年一月以来生理が止まり、更年
期だと思ってあきらめていました。朝と夜、純正律を聞いてリラッ
クスしていたら、七ヵ月ぶりに生理が来ました。七ヶ月ぶりの生理!
奇跡です」(山梨県・女性)「純正律のCDを聞いたところ、耳鳴り・
不眠が徐々に改善されてきたと感じます。正直、驚きを隠せません」
(静岡県・男性)などなど。これは、編集部に寄せられた声のごく
一部です。
<純正律の可能性を探る>
 現段階ではまだ、純正律が健康面に及ぼす影響の一端が、やっと
明らかになってきたに過ぎません。「壮快」では今後も、「健康」と
いう切り口で純正律のさらなる可能性を探っていきたいと考えてい
ます。
 純正律音楽研究会の会員のみなさまの中でも、何かしらの効果を
実感された方がいらっしゃいましたら、ぜひ「壮快」編集部(〒
113-8561東京都文京区湯島2-31-8)までご一報をいただけますと
幸いです。
* * *
☆事務局にも「壮快」読者の方からお問い合せが殺到。純正律音楽
のリラックス効果を多くの方に実感していただけました。
・「読売新聞」2004年5月7日夕刊
「金曜コラム 古典音律 純正の響き」にて純正律音楽について紹
介されました。取材してくださった読売新聞文化部の副島秀雄さん
とは近々会報にて対談予定です。お楽しみに!
・「マクロビオティック」日本CI協会発行月刊誌
2004年11月号(10月25日発行)
食による健康と治病に関する歴史ある雑誌で、純正律音楽について
紹介されています。


■9■純正律イベントレポート
純正律音楽研究会関連のイベントについて紹介します。


現代邦楽研究所10周年記念公開講座
・「日本音楽の楽しみ」
〜ギリシャ旋法と雲井調子〜
7月25日(日) TAスタジオ(東京都豊島区)にて
主催 現代邦楽研究所
 講師に日本音楽を独自の視点から研究している茂手木潔子氏(音
楽学・上越教育大学教授)、ゲストに古代ギリシャの要素を中央ヨ
ーロッパの新しい思想やコンセプトと統合させた作品を生み出して
いるギリシャ人でドイツ在住の作曲家・ピアニストのミナス・ボル
ボウダキス氏、純正律音楽研究会代表玉木宏樹を迎えて開催されま
した。箏の雲井調子と古代ギリシャの旋法の共通点に注目するとと
もに、平均律、純正律など、音律の観点から日本音楽の特質や現在
抱える問題について考えました。講師、ゲストの講演と、当会理事
の西潟昭子氏らによる「雲井六段」、「デルフォイの風」(玉木宏樹
作曲)の演奏がありました。

・青少年のための楽しい三味線コンサート
10月3日(日) 国立オリンピック記念青少年総合センター(東
京都渋谷区)小ホールにて
主催 現代三味線協会 
 一般参加者を交えての合奏,世界中の様々な楽器を紹介しながら
三味線のルーツを探っていく講演,若手演奏家による本格的なコン
サートの三部構成で,楽しく三味線音楽に触れることができました。
第一部の玉木宏樹作曲「蒼の舞い」は,筝,十七絃,三味線のアン
サンブルでブルースを演奏するという面白い試みです。ビートの効
いたリズムと,楽器が織りなすハーモニーが絶妙で,新鮮な印象を
受けました。各演奏者のアドリブがまた秀逸で,観客から手拍子が
湧き起こる程の盛り上がりを見せました。コンサート全体を通して
演奏された10曲は,邦楽器の持つ魅力を活かしつつ,それぞれの
作品ごとに様々な思いが込められていて,現代邦楽の新しい可能性
を垣間見た思いです。
(報告 監事 田向正一)

・純正律音楽研究会会員親睦会
9月4日(日)事務局にて
主催 純正律音楽研究会 
新しく純正律音楽研究会会員になってくださった方々を中心に事務
局に集まっていただきました。玉木の演奏でバッハの無伴奏ソナタ
で始まり、ハーモニートレーナーでの純正律と平均律の違いの実演。
そして現在の世界での純正律の状況を説明するために、エンヤ、リ
ベラ、ホーメイなどのCDを十枚以上紹介。最後は「枯葉」の演奏
でしめくくり。

・ 「マクロビオティック医学シンポジウム」
10月24日(日)江戸東京博物館ホール(東京都墨田区)にて
主催 マクロビオティック医学研究会
医学博士による講演に挟まれた玉木の講演と生演奏。純正律音楽と
は何か、そのリラックス効果、老人健康保健施設での活用例などに
ついて、ユーモアたっぷりにお話して会場も和やかな空気に。ここ
でもハーモニートレーナーで平均律と純正律のちがいを実演、客席
におりていき受講者に実際に鍵盤にふれていただく一幕も。純正律
の生演奏は「歓喜の翼」「ケルト幻影」「悠久のケルト」「荒野の果
てに」「枯葉」の5曲を披露。自然食品店や健康に関心の高い方な
ど、多くの方々に純正律音楽を生で知っていただくことができまし
た。

☆演奏会、講演会、交流会などイベント情報は随時お知らせして参
ります。全国各地でのイベントの開催も実施していきたいと思って
おります。皆様のご参加心よりお待ちしております。


■10■純正律の音程を学ぶ「響きの体感 ワークショップ」


<ワークショップ参加者大募集>
 純正律音楽の普及、理解促進を目指し、特に演奏者の方を対象に
「純正できれいな音程でハモるように」ということを考えるワーク
ショップを企画、開催しております。現在、参加者大募集です。ヴ
ァイオリン、フルート、オーボエなどの楽器を演奏される方はもち
ろん、見学だけでも大歓迎です。このワークショップで、純正律を
生で体感してみませんか。純正律への理解と会員間の交流をより深
めるためにも、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
【ワークショップ開催概要】
11月23日(祝)
一四時開場 一四時三〇分開始
TAスタジオ(東京都豊島区)
参加費 3000円 正会員価格 1500円 ネット会員価格 2000円
お申し込み・お問い合せ
純正律音楽研究会事務局
電話 03-3407-3726 FAX 03-3797-5640
email info@pure-music.ne.jp

☆9月25日(土)TAスタジオ(豊島区目白)にて開催されましたワ
ークショップをレポートします。
<模範演奏と実演で純正律を体感>
 まずは講師の玉木宏樹とゲストのヴァイオリニスト水野佐知香氏
とのヴァイオリンデュオでスタート。「証誠寺の狸囃子」「フォスタ
ーメドレー」など、純正律で美しく豊かな響きが醸し出される模範
演奏を聴いていただきました。その後に「キラキラ星」「家路」「聖
夜」などで受講者とともに実演練習。
 さらに、普通はピタゴラス音律のお筝を美しくハモる純正律に調
絃しました。調絃の過程で音の違いがはっきりわかります。現代邦
楽研究所の吉原佐知子氏による純正律のお筝と玉木宏樹のヴァイオ
リンのデュオで玉木作曲の新曲を披露。純正律でより一層美しく響
き合う演奏をお楽しみいただきました。玉木宏樹よりヴァイオリン
の「革命的音階練習法」の解説、質疑応答を経て、最後に再び水野
佐知香氏と玉木宏樹のデュオ「ロンドンデリーの歌」で締めくくり。
純正律の美しく透明なハーモニーにあふれた二時間でした。


■11■純正律かわらばん
純正律音楽研究会および代表玉木に関するニュースです。


◇玉木宏樹はレッスンの友社「ストリング」にて「音階と音程」に
ついて好評連載中。連載で紹介した革命的音階練習方法についての
書籍を2005年春出版予定。
◇音楽之友社より玉木編曲のデュオヴァイオリンの楽譜が続々と出
版され好評発売中。「デュオで楽しむヴァイオリン 日本のメロデ
ィ」が11月下旬発刊予定。さらに来春「外国のメロディ」も予定。
• 水野佐知香&荒井章乃母娘によるデュオヴァイオリン「ゆめ・・・
くるみ割り人形ほか」11月下旬発売予定。「聖夜」のジャケットも
11月下旬リニューアル、クリスマスプレゼントにもどうぞ!
◇社団法人全国老人保健施設協会主催第十五回全国介護老人保健施
設香川大会(11月10日〜12日)において介護老人保健施設はまなす(施設長 福田六花氏)が、純正律音楽を日常生活に取り入れる
ことで痴呆老人が落ち着き、不穏、徘徊が著明に減ったこと、純正
律音楽は二一世紀高齢化社会における素晴らしい福音となり得るこ
とについて発表します。
• 映画「阿修羅城の瞳」(2005年春ロードショー予定、市川染五
郎・宮沢りえ主演)の予告編で純正律音楽「歓喜の翼」が使われて
います。
◇純正律音楽のCDの取扱店など
・事務局にて通信販売
・純正律音楽研究会ホームページ
 (ドリームカタログ)
http://www.pure-music.ne.jp/
・ナチュラルハウス青山店
・ナチュラルハウス吉祥寺店
・ 楽天 OK MUSICなど
http://www.rakuten.co.jp/okmusic/445969/449759/
☆ 販売店を募集中です。詳細はお問い合せください。

● 編集後記
今年の春以来の発行となりました。発行がたいへん遅れましたこと、
深くお詫び申し上げます。今回より新しく事務局に入りました神田
が編集を担当することになりました。今後ともどうぞよろしくお願
いします。
●お便りをお待ちしています!
会報のご感想、ご意見、お問い合せ、純正律にまつわること、なん
でもお寄せください。
〒106-0031東京都港区西麻布2-9-2
純正律音楽研究会
電話:03-3407-3726 fax:03-3797-5640
e-mail:info@pure-music.ne.jp